「ICTで創る学校の未来」をテーマに3回連続セミナーを開催しています。
今回その第2回目、テーマは「学びを創造する授業デザイン」です。
会場は、名古屋マリオットアソシアホテル17階 桐、
5月29日(水)13:30に始まりました。
今回のゲストスピーカーは、東北学院大学文学部教育学科教授(学長特別補佐)の稲垣忠教授です。オンラインでの講話でした。
テーマは、「生徒を主語にする」探究型の授業デザイン、です。
先生が今研究されている「探究型の授業づくり」「カリマネのシステム化」「SIPポストコロナの学び」「AIを授業づくりの味方に」についての説明の後、豊富な資料によって「探究とはどんな学びか」について丁寧に話をされました。
探求とは「自分で答えをつくり上げる学び」であると、明解です。
Slidoを使って会場からの質問・意見を聴く機会もありました。「高校では大学受験があるので探究に時間が割けない」という意見や、専修学校の先生からは「専門用語をひたすら覚えるという科目で、どのようにして探究型の学習にすればいいですか」という現場からの声があがりました。
ICTを活用するSAMRモデルに触れて、どのようにしてデジタル化をすすめて学習者中心の学びの転換を図るかを、「情報活用型プロジェクト学習」として教科学習に取り入れる方法について先生が考案された具体的な手法を使って話されました。
さらに、授業へのAIの活用についても触れ、課題・収集・編集・発信・評価という探究のプロセスの中で、段階に応じてAIを利用することを提唱されました。
講話後の質疑応答では、前回に続いてオンラインホワイトボードアプリが使われ、活発な書き込みによって濃い意見交換の場となりました。
その後、休憩をはさんで教育コンサルタント澁谷からの提言講話に移りました。
「学校が変わるためにはどうするか」が今回の話の基本にありました。
- 学習観・授業観を変える
- 改革の道筋を理解する
- ICT環境を整備する
- 予算化する
- 働き方改革を進める
この5つの項目について話を進めました。とくに、授業観の転換についてはOECDの提唱したラーニングコンパスについてふれ、生徒エージェンシーという概念を、「新たな価値を創造する力」など3つのコンピテンシーを重視し、生徒が教師の決まりきった指導や指示をそのまま受け入れるのでなく、自立して自ら判断し責任ある行動をとる能力・態度として説明しました。
この5項目は、教師の立場から追究することでもあり、学校管理者の立場から進めることでもあり、学校経営者の立場から判断すべきことでもあります。
特に、ICT環境の整備なくしては、個を大切にする学習への転換はできないことから、導入・運用においても3者の意思疎通が必要であり、経営者には積極的な予算化を進めることを求めました。
今肝腎なことは、とにかく次の一歩を進めることであるとして、提言を終了しました。
ホワイトボードアプリと掲示板アプリはセミナー後も参加者に開示され、意見交換と記録提供に活用されました。
次回、第3回セミナーはいよいよ最終回です。
テーマは、「学校がもっと楽しい場所になる~学校観を変える~」です。
何のための学校改革かを話し合うことになります。